これもヒットしたよね、「Mr.Boo」シリーズの日本での二作目「インベーダー作戦」。このネーミングも、日本の映画会社が勝手につけた。映画の後半にマイケル・ホイがインベーダーに扮するシーンからこのタイトルが付けられたと推測できる。また、当時、やきそばUFOか何かのCMに、マイケル・ホイ本人がこの衣装で出演していた記憶がある。
この映画のコンセプトは割とシリアスで、某テレビ局との間に結ばれた「終身契約」を破棄しようと、相変わらずの軽妙なドタバタ劇をホイ兄弟が演じるというもの。
香港における、芸人とプロダクションとの契約事情は詳しくはないけど、
トラブルはかなり多いと聞く。日本でも「Gメン」で有名な倉田保昭氏も
香港映画界でさまざまな契約問題に巻き込まれたらしい。出演契約を結び、
映画出演後に契約に記載されたプロダクションにギャラを請求にいったら、
事務所はもぬけの殻だったとか。
また、もっと有名な事件は、83年頃に明るみになったジャッキー・チェンの事件。この頃ジャッキー・チェンは、ブルース・リーの「危機一髪」や「怒りの鉄拳」を制作したロー・ウエイのプロダクションと契約していたにもかかわらず、今やアジア有数の映画製作会社「ゴールデン・ハーベスト」との間でも契約を結んじゃった。つまり二重契約。
香港の映画界はマフィアとの関わり合いが強く、当然この事件においても、
マフィアが介入してジャッキーの奪い合いが繰り広げられたらしい。結局、
ご存知の通り「ゴールデン・ハーベスト」側に軍配があがったんだけど、裏では相当の金が流れたんだろうね。
ホイ兄弟は、「インベーダー作戦」において、こういった契約に関わる諸問題を痛烈に皮肉ったわけ。しかし、重いテーマをさらりと見せる、マイケル・ホイの手腕はスゴイ。ラストシーンは、チャップリンの「モダンタイムス」の影響というかパロディ。全編抱腹絶倒の最高傑作のひとつだ。
音楽の方だけど、前作同様サミュエル・ホイによるサントラ盤も発売されている。日本でも発売され、にせサントラ(別人による演奏)もでた。軽快なポップソングの主題歌「売身契」、ビギンのリズムがおしゃれな挿入歌「杯酒賞歌」の他に、前述のインベーダーのシーンに流れる、シンセサイザーの効果音やクラビネットのバッキングがばりばりのテクノ・サーフ・ファンク「太空舞」、中国の伝統的なメロディーが郷愁を誘う「世事如棋」「相思萬千里」「父母思」、ボードヴィル調の「飲勝」を収録した、サミュエル・ホイ最高傑作のひとつ。
特に前述の「世事如棋」はアジアンポップス史における最重要曲。この曲を知らないアジアンポップスファンはニセモノ。みんなで正体を暴こう。
このアルバムも是非とも、日本での発売も実現してほしいもの。
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