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[No.0309] 2003/2/5
No.0308「連載「エサ箱日誌」第15回」へNo.0310「連載「エサ箱日誌」第16回」へ

POP-SITEゲーム批評
20年の歴史に幕……。
さよならコンパイル!






コンパイル、解散。1983年にセガSG-1000のソフトをOEM開発していた頃から数えて20年、またひとつ老舗の火が消えてしまった。会社が解散しても、個々のスタッフの人たちが健在な限り遺伝子は不滅……なんだろうけど、母体であるコンパイルがなくなっちゃったのは寂しい限りだ。

最初にコンパイルの作品と出会ったのは、ログイン誌の巻末モノクロ広告だった。月面でビリヤード、という風変わりなファミコンソフト『ルナボール』(1985年)。でも、実際にプレイしてみるとボールの慣性や重力などのパラメータがしっかり計算されており、子供向けのラインナップが並ぶファミコンソフトの中にあってちょっとオトナな感じの異色ゲームとなっていた。

そして1986年。任天堂が発表した安価&大容量の新メディア・ディスクシステムで、シューティングゲーム界に一大革命が起きた。それがコンパイルの『ザナック』だった。多種多様なパワーアップとボスキャラに加えて、それまで『ゼビウス』『スターフォース』などのゲームでは定速となっていたスクロール速度を完全に可変とした点が非常に画期的だった(最高速時はまさに「目にも止まらない」!)。

ファミコンのショボいスプライトと音源をフルに活用し、コナミの後期ファミコンソフトにも匹敵する驚異的な完成度を持つ『ザナック』が、あの『ルナボール』と同じ会社の作品だと知ったとき、なんだか妙に納得させられた。卓越した技術をよりどころに、流行とかマーケティングとかはあんまり考えずにガンガンいく感じ。まあ初期ファミコン時代はみんなそんな感じだったかもしれないけど、コンパイルの一歩抜きんでた感は敏感なマニアにはピンとくるものがあったと思う。

その後、何度も繰り返し遊べるアクションSTG『ガーディック外伝』、映画より面白かったPCエンジン版『ガンヘッド』、セガマークIII版『アレスタ』、コミカルザナック『ガンナック』など、『ザナック』の遺伝子を受け継ぐゲームがいくつも生まれた。そして、高性能ハード・メガドライブで和風テイストなグラフィックと比較的低めの難易度と充実したストーリーを引っさげて登場した『武者アレスタ』により、ザナック・チルドレン時代は全盛期を迎える。個人的にはこのころのコンパイルがいちばん好きだったなあ……。

その後、異色ホラーピンボール『デビルクラッシュ』(PCエンジンGTでサウンドテストしまくったことが思い出されます。あの音楽は本当にすごかった)などの個性的タイトルを経て、ついにアーケード/メガドライブで『ぷよぷよ』が大ブレイクしちゃった。そして、その後は衆知の通り……。どういう事情があったのか知らないけど、どうしてコンパイルがあそこまで『ぷよぷよ』シリーズおよびそのマーチャンダイズに依存した経営を行ってきたのかが理解できないんだよね。

たとえば、GBAで『ザナック』『スーパーアレスタ』『精霊戦士スプリガン』『武者アレスタ』を1本にまとめたソフトをリリースするとか、トレジャーの『レイディアントシルバーガン』みたいにイカした『ザナック2』をPSとSSの全盛期にリリースするとか(2001年の『ZANAC×ZANAC』はちょっと時期も逸していたし内容も……)、鬼のように美麗なグラフィックの『侍アレスタ』をDCでリリースするとか、われわれザナック世代が思わずノドから手を出して即ゲットしちゃいそうな魅惑のコンテンツをぜひ作ってほしかったなあ、としみじみ思っちゃうね。別に『ザナック』路線に限らず、コンパイルの技術力があればきっとスゴいゲームが生まれる余地がまだまだあったんじゃないだろうか。

作品の権利関係はすべて別会社に譲渡されたとのこと。これからもコンパイルのDNAが生き続けることを期待したいね。復活するその日まで、Palm版『ザナック』でもプレイして待つことにするよ……。

(モリサワジュン)



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