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[No.0326] 2003/6/4
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POP-SITE音楽批評
Original TV Soundtrack
『Thunderbirds』

CARLTON
FILMCD 606
連載「エサ箱日誌」第24回のスタート!

6月某日(その1)
バップ・レコードからリリースされている、これまで商品化されたことがなかったテレビや映画のBGMなどの音源を発掘する「ミュージックファイル」というシリーズがあるよね。

プロデューサーの高島氏はファンの一人として、純粋に「聴いてみたい」という気持ちからこのシリーズを立ち上げたと思うんだけど、これだけシリーズが続いているってことは、意外なほどニーズがあったんだろうね。残念なのは音源を管理している権利者との契約が切れたのか、「怪奇大作戦」などの人気盤が廃盤になったりしていること。ネットオークションでもかなりの高値で落札されているので、ぜひ再発をお願いします。

日本での「ミュージックファイル」シリーズと同種の動きは海外でもあって、シリーズ化こそされていないものの、世界中のファンが待ち望んでいたBGM集がついに発売された。今回紹介するのがまさにソレ。世界で最も有名なTV番組のテーマソングのひとつである、ご存じ「サンダーバード」。現在NHKでも再放送されてるけど(ただし、元々1時間の番組だったものを前編と後編に分割して、30分枠で放送しているのは少々痛い)、この人気TVシリーズのBGM集が母国イギリスで発売された(米国でも発売されている:写真)。

10年ほど前にCD化(ピクチャー仕様のLPも同時発売)されたけど、それは映画のサントラだった。今回は正真正銘のTV番組内で使用されたBGMがCD化された。CDはいきなり、TV番組冒頭の有名なカウントダウンから、エピソードを短くまとめたフラッシュのバックに流れるスリリングなBGM、そしてあの有名なテーマで始まる。失禁ものです。すごい、すごすぎる。

しかもフィルムの音声部分を使用したケチなCD化ではなく、マニアの間で囁かれていた「どこかのガレージに眠る膨大なオリジナルテープ」をこのCDの編者が見事に発見し、その音源を使用してCD化されたワケ。その経緯はブックレットに詳しく記載されているのでここでは省略するけど、何でもこのプロジェクト、10年がかりだったそうで。この執念には脱帽しかない。歴史的な偉業だよ、これは。

TV番組での使用ということで音声は基本的にモノラル。しかし、かれこれ40年近く前に録音された楽曲群が、これほどまでに素晴らしい音質で蘇るとは感慨深いね。テーマソングに登場する「東京中低域」みたいな重厚なブラスサウンドの迫力といったらもう筆舌しがたいよ。

個人的に嬉しいのは、国際救助隊ロンドン支部のレディ・ペネロープが架空の歌手として敵地のホテルに乗り込んで、そのクラブでアンニュイに歌う楽曲が収録されたこと。ちょっと思い出せないけど、日本語版は吹き替えを担当していた黒柳徹子さんがこれを歌ったのだろうか。まあいいか。それと、もちろんこのCDには「この世の幸せのためーに」という歌詞がついた日本語版テーマソングは収録されていないので、念のため。

6月某日(その2)
前々回に苦言を呈したYMOだけど、適当に曲を並べただけの手抜きベスト盤なんかいい加減にやめて、誰からも賞賛される素晴らしい作品をリリースしてくださいよ。みんな待ってるんだからさ。

何で企業論理ばかり優先させて、ファンのニーズを満たす作品をリリースしないのかね。ファンに感動を与える作品をリリースすることが、あなたがたの企業理念じゃないの?改心して、さらにファンへのお詫びの証として「ベスト発売中止」っていう大英断を下したら、これまでの怠慢は水に流します。

今回のベスト盤、リリースされなくても誰も困りませんから、クレームなんか来るわけありません。逆にファンの大喝采を浴びるでしょう。もしギャーギャー騒ぐ輩がいるとすれば、そいつはファンではありませんから、心配しなくっても大丈夫です。徹底的に無視してオッケーです。

さてベスト盤を予約したファンのみなさん、今回のリリースに心の底から感動した? しないでしょ? 音楽って感動を与えるものじゃないんだっけ? 前々回のコラムを読んで、意地になって予約した人も多いみたいだけど、アレコレ理由を付けてベスト盤の予約を正当化するなんて、みっともないからやめなさい。アンタ、ファンを何年やってるワケ? 「内容は最悪だけど、ファンだから買うんだ!」っていう方が潔いぜ。

ということで、ボク自身は『UC YMO Premium』予約しました。当たり前です。基本です。だって、みんなと同じく狂信的なファンだもん。みんなも予約したよね? え、してないの? 発売日当日、店頭での争奪戦、頑張ってね!

(フィオナ林檎)


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