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No.0337
] 2003/8/20
No.0336「連載「エサ箱日誌」第29回」へ
No.0338「連載「エサ箱日誌」第30回」へ
ついに実現!宿敵セガとの合体技
『
F-ZERO GX
』は成功したのか!?
■任天堂■GC■2003年7月25日発売■レース■5,800円(税別)■1〜4人用■
★★★★★
ゲーム人口が激減しているらしい。報道によると「ファミコン世代のゲーム離れが顕著」とのことで、まさにファミコン世代の私は確かに「激減」の片棒を担いでいるという自覚がある。あんまりゲーム買わなくなったもんなあ。
ファミコンに育てられた私が任天堂とナムコとセガについて思うとき、未だにファミコン全盛期である'80年代に形成された記号的な意味を避けることができない。2003年現在の姿がどうであれ、任天堂ならファミコン時代の黄金期を、ナムコなら『ドラゴンスピリット』ぐらいまでの黄金期を、セガならセガマークIIIの忍耐期を、それぞれ思い描いてしまうのである。この当時は、形こそ違えどもそれぞれが敵対関係にあったわけで(任天堂対セガのプラットフォーム戦争、カートリッジ生産に関する任天堂とナムコの確執、アーケードにおけるセガとナムコの覇権争いなど)、そういう印象を未だに捨てられない私からすると、『F-ZERO』や『スターフォックス』という任天堂の金看板をそっくりそのままセガやナムコに預けちゃうなんて、私にとってはまさに信じがたい青天の霹靂だったわけである。大げさだけど。
前置きが長くなったが、『F-ZERO GX』(以下『GX』)である。任天堂とセガが合作した『F-ZERO』だなんて、私には孫悟空とベジータが合体してベジットになったこと以上にインパクトが大きいんである。何言ってんだ私は。しかし、結論から言えば「悪い意味で期待通りの傑作」というアンビバレントなニュアンスで落ち着いており、ゲーム自体のインパクトはそれほどでもなかったなあ、というのが正直なところだった。私は任天堂とセガの持つ値の「掛け算」を期待していたんだが、今回の『GX』は何か「足し算」なんである。その「足し算」の結果として「傑作」となったとはいえ、それもこれも予想していた通りの「傑作っぷり」とでも言うべきか。
まず、レースゲームのシステムを見た場合「セガらしさ」に欠けているような気がする。私がレースゲームに疎いせいかもしれないが、『GX』のレースゲームとしての部分を見ると、「任天堂が単独で作った」と言われても信じてしまいそうである。セガが任天堂を外から「リスペクト」することによって生まれた仕掛け(巨大な任天堂の「ロボット」がコース上に設置されている、とか)はあるのだが、完成度の高かった前作『F-ZERO X』のシステムを任天堂自身がさらに正統進化させたようなテイストがあまりに強すぎて、「不満はないんだけど」の「けど」に力点を置かざるを得ないんである。
私が「セガらしさ」を感じるのは、要所に仕組まれた高い難易度設定である。たとえばサファイアカップの最後のコースにおける異様なまでのコースアウトの発生率や、ストーリーモードの一部のステージにおける悲しくなるような難しさなど、ゲームに溶け込まない「高い難易度」がかなりどぎつい形でゲーム中に表出しているのである。うまいカレーに激辛の唐辛子が丸ごと乗っかってるみたい。せめて刻んでくれよと。
もちろん「セガらしさ」とは「高い難易度」だけというわけではない。ストーリーモードのノリや映像はセガでなければ作れなかっただろうし、パーツを集めて(正統派から変わり種まで)様々な機体を作ることができるフィーチャーも任天堂単独では出来なかったと思う。ただ、これらあまたの「セガらしさ」が相乗効果を生んでいるとは感じられなかったんである。それと、「隠しフィーチャーの数の多さ」と「それらを出すために必要とされる努力の大きさ」もセガらしいなあ。あるサイトで隠しフィーチャーの出現条件リストを見たんだけど、正直言って私には全部出すのはとても無理そうである。
とはいうものの、目茶苦茶面白いのである。なんだかんだ言っても傑作であることに変わりはない。前作にあったデスレース(他の車をひたすら壊すモード)がなくなっていることがちょっと残念ではあるが、本当に面白くて爽快なレースゲームに仕上がっている。「前作『F-ZERO X』の正統進化+ストーリーモード+チューンナップ要素+α」というパッケージの持つ説得力はただただ絶大であった。
次はナムコとの『スターフォックス2』や『ドンキーコング』『パックマン』が控えており、早くも期待が高まるわけである。ゲーム離れを自覚している私が期待を高めるぐらいなのだから、各メーカーはどんどん手を取り合って'80年代の遺産を有効活用していくべきだと思うんである。たとえばタイトーなんて美味しいネタを大量に持っていそうだなあ。コナミは……とりあえず寺銭が高そうである。よくわからないが。
(モリサワジュン)
(C)2003 Nintendo (C)AMUSEMENT VISION / SEGA,2003
【関連リンク】
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●『F-ZERO GX/AX』公式サイト
http://f-zero.jp/