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モリサワジュンのコラム「Gamers, Be Ambitious」は引っ越しました。
http://d.hatena.ne.jp/morisawajun/
任天堂の暗黒面、全開!
『あつまれ!!メイド イン ワリオ』レビュー
■任天堂■GC■2003年10月17日発売■瞬間アクションパーティ■3,800円(税別)■1〜4人用■
★★★★
以前、大塚ギチ氏が任天堂の宮本茂氏のことを指して「ゲーム界の手塚治虫」と評したことがあって、私はなるほどなあと思ったんだけど、もっと大きく言えば任天堂そのものが手塚治虫的だと私は思う。一個人である作家と企業をあてはめて考えるのは乱暴だし無理があるんだけど、手塚治虫と任天堂っていろんなところが似ていると思う。それまでになかった新しい媒体をビジネスとして成立するところまで持っていったこともそうだし、みずからが生み出した媒体が産業化してそこから様々なプレッシャーを受けて葛藤したり。いわゆる劇画ブームの荒波を食らって苦悶したりするところもよく似ている。
ひとつの漫画作品を1時間も徹底的に語り合う「BSマンガ夜話」という番組で手塚治虫の「ワンダー3」が取り上げられたとき、「白手塚・黒手塚」という言葉が出てきた。手塚治虫という一人格には、「鉄腕アトム」とか「ユニコ」みたいな作品を描く「明るくて健康的な“白い手塚”」と(アトムが白いというのは異論もあるだろうけど)、「空気の底」とか「アラバスター」みたいな「暗黒面」バリバリの作品を描く「暗くて重い“黒い手塚”」が共存している、というような意味合いである。
このあたりも任天堂に似ているんである。「白い任天堂」は、たとえば『マリオ』『カービィ』に代表される「子供が遊ぶことを想定した健康的でわかりやすくて楽しいゲーム」を生み出し、「黒い任天堂」はその真逆みたいなとんでもない実験作・冒険作を生み出す。コナミやエニックスのような「多ジャンルのバリエーションを持った会社」と違うのは、マリオやカービィに象徴される「白い任天堂」が確固として存在するという点である。だからこそ、黒い部分が相対的にはっきりと見えてくることになる。って私だけか。
どれが黒いか白いかは個人の判断で大きく変わるんだろうけど、私はたとえば『カエルの為に鐘は鳴る』『X』『ジョイメカファイト』『007 ゴールデンアイ』なんかは黒いと思う。『どうぶつの森』も黒いな。『ピクミン』もかなり黒い。『ポケットカメラ』なんてもう真っ黒である。
私はどちらかといえば黒い任天堂のほうが好きだ。プレイしたときの思い出やなんかが記憶にもいちいち残りがちである。で、今回の『あつまれ!!メイド イン ワリオ』はモロに「黒い任天堂」の作品である。もう本当に黒い。このゲームにおける「黒さ」は、「デタラメ」と換言してもいい。ゲーム自体の立脚点(5秒で終わるミニゲーム集)そのものがすでにデタラメだし、個々のゲームも本当にデタラメである。鼻ほじりや鼻水よけといったお下劣なゲームや、他人のやってるミニゲームを邪魔するゲーム、任天堂のセルフパロディゲームなど、どれをとっても脱力を誘ういい加減さ。さらに、ゲームに入る前のアイキャッチ的な脱力映像が何種類も用意されていて、デタラメさをさらに加速している。
ただ、いくら黒くても「<商品>としてのゲーム」の基準を楽にクリアしているのはさすが任天堂である。とにかく面白い。表現やギャグばかりに気を取られているどっかの作品とは一線を画している。内容がゲームボーイ版とかなり重複してるのがちょっと残念ではあるが、ゲームキューブ持ってるなら迷わず買うべきである。安いし。
以前、私はここで「
任天堂のCMはつまらない
」と書いたんだけど、この
『あつまれ!!メイド イン ワリオ』のCMは(ゲームボーイ版もだけど)例外的に面白かった。このゲームをプレイして派手なリアクションをする素人の映像が流れるだけなんだけど、楽しげな感じが伝わってくるんである。CMとしても楽しいし、きっと売り上げにも貢献すると思う。
もしかしたら黒い任天堂のゲームのほうが面白いCMになりやすいのかもしれない。個人的には面白くなかったけど、『ピクミン』はCMと音楽が独り歩きしていたし。『どうぶつの森』のCMは、ナレーションに渡辺篤史(住宅ヨイショ王)を起用した時点で技ありである。あ、水野晴雄と浜村淳が出ていた『007 ゴールデンアイ』のキッツいCMをうっかり思い出してしまった。せっかく忘れていたのに。とほほ。
(モリサワジュン)
(C)2003 Nintendo
【関連リンク】
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●任天堂『あつまれ!!メイド イン ワリオ』商品情報
http://www.nintendo.co.jp/ngc/gzwj/