連載「エサ箱日誌」第39回のスタート!
12月某日
段階的に日本文化が開放されてきた韓国で、2004年1月には音楽CDが解禁となる。それにあわせて、X JAPAN、TUBE、KICK THE CAN CREWのアルバムが韓国で発売されると新聞が報じていた。
韓国の音楽市場は、かなり冷え込んでる日本よりもさらに冷え込んでいて、せいぜい日本の5%くらいの市場規模とのこと。
だけど、日本のレコード会社は強気で今回の解禁にかなりの期待を寄せていて、「これを機に一気に拡大する可能性も」なんてコメントが掲載されていた。
今回、たまたま仕事で韓国に行くことになった。現地の音楽事情をこの目で見る機会に恵まれたんだけど、報道で聞いていた以上にお寒い状況を目の当たりにした。
韓国の首都ソウルに行ったんだけど、まずレコ店がどこにもない。タワレコがあるっていうことを聞いてたんだけど、ガイドに尋ねたら本当かどうかわからないけど「撤退した」って言われた。せっかく購入リストを作って、アレもコレも買おうと思って勇んで来たのに出鼻をくじかれた。ようやく地下ショッピングモールの一角にレコ店を見つけたけど、店内ガラガラ。どうしちゃったんだろ。
ガイドに聞いてみたら、国をあげての政策の結果、日本よりも数万光年進んだインターネット先進国である韓国では、聴きたい曲はファイル交換ソフトを利用して無料で音楽ファイルをやりとりして聴くから、CDなんて誰も買わないのだそうで。
日本もそうだけど著作権に対する意識が低いのだろうし、それ以上に国を上げてインターネットを推進している韓国でファイル交換を制限するような野暮なことをしたら、それこそ国民から猛反発を食らうんだろう。日本のレコード会社が今さら韓国で日本のCDを発売したところで誰も買わないし、X JAPANやTUBEの曲なんかファイル交換ですでにみんな持ってる。
そんな韓国において、CDが異常なほど売れてるアーティストがいると聞いた。それが今回紹介するWAXという女性アーティスト。曲はいかにもパソコンで作りましたって感じだけど、歌はかなりうまい。特にバラードがいいね。
今回、韓国へ行って買ってきたCDはこの一枚だけ。このファースト・アルバムは随分前に廃盤になったらしいんだけど、最近リリースされたサード・アルバムが好調なため再びリリースされた。サード・アルバムと比較するとだいぶ荒削りな印象を受けるけど、なかなかいい感じです。
(文=フィオナ林檎)