連載「エサ箱日誌」第44回のスタート!
2月某日
マイルス・デイビスの海賊盤ですっかり有名になってしまった某氏が、つい最近発売された別冊宝島でも述べてたけど、正規のレコード会社から発売される発掘盤はどんどんマニア度が深まっていき、逆に海賊盤業者から発売される発掘盤は、ニーズが高く、そして初心者からマニアまで広く楽しめる内容のものが多いという逆転現象が起こっている。
レコード会社はリサーチを行って、リスナーが求めているものが何であるかを把握しようとしているのかどうか、非常に疑わしい。仮にリスナーが求めているものを完璧に把握したとしても、権利関係が障害になったり、企画が社内で承認されずに発売が見送られることもあるんだろうけど、そういうことってレアなケースのような気がする。
そもそもリスナーが何を求めているかなんてレコード会社にとっては全然重要なことではなくって、売りたいものを売るという企業論理がまかり通ってる風に見える。本当に音楽が好きな人間が社内に少ないことも原因かもしれない。
リスナーが求めているものが発売されないということは、つまり金を払ってまで買いたいというものがないということ。欲しくもないものに金を出すワケがないから、「レンタルで十分」ということになる。残念ながら悪循環の連鎖を断ち切るパワーは、もはや今日のレコード会社にはない。
で、先の海賊盤の話。本当にリスナーが求めているものがジャンジャン発売されているのが海賊盤市場で、もちろん市場規模は小さいけれど、初回プレス分が数日で完売することが頻繁に起こってるらしい。
今回紹介するのはピンクフロイドが1974年に地元ロンドンで行ったライブを収録した2枚組CD。
ギネスの記録を塗り替えた大ヒットアルバム『Dark Side Of The Moon(邦題:「狂気」)』の発売の翌年のもので、BBC放送が収録して、後にオンエアした。
このオンエアを録音したカセットテープを元に、これまで何種類もの海賊盤が制作されてきたんだけど、今回のCDには放送に使用されたテープをデジタルコピーしたものらしく、音質はこれまで発売されたどの海賊盤よりも断然いい。さらに、オンエアの際にカットされて以来、これまで一度も日の目を見ることがなかったアンコールに演奏された『Echoes』が発掘され、このCDに収録されたことも大きい。
ニーズが非常に高いことを業者は掴んでいたんだと思うんだけど、この海賊盤、2月中旬に発売されてから僅か数日で完売したとのことで、その反響の大きさに業者もさぞかし驚いたことだろうね。
収録曲:
Disc 1:
Disc 2:
(文=フィオナ林檎)
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狂気
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エコーズ〜ザ・ベスト・オブ・ピンク・フロイド
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ライブ・アット・ポンペイ - ディレクターズ・カット
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クラシック・アルバムズ: ピンク・フロイド/ 狂気