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No.0375
] 2004/5/12
No.0374「連載「エサ箱日誌」第49回」へ
No.0376「連載「エサ箱日誌」第50回」へ
日数制限から解放された『ピクミン2』に
終わりなき慰安と癒しを見た
■任天堂■GC■2004年4月29日発売■AIアクション■5,800円(税別)■1〜2人用■
★★★★★
3年前に任天堂から発売された『ピクミン』は、任天堂にしては珍しくテレビCMのほうがゲームそのものよりも話題になったゲームである。「
今日も運ぶ、戦う、増える、そして食べられる
」って曲が流れるあのCMを見て、愛くるしくて健気で可愛いピクミン達が、仕事や家事や勉強に疲れた心を優しくふんわりと癒してくれることを期待した方も多いことでしょう。書いてて気持ち悪くなってきたが、実際に『ピクミン』を買ってプレイしてみて、その<癒し>への期待が裏切られたって人はきっと多かったんじゃないかと思う。『ピクミン』は、その第一印象と違ってけっこう敷居が高くてせわしないゲームだった。
確かにグラフィックの美しさやピクミン達の健気さは<癒し>に通じていたものの、「30日間で30個のアイテムを集めないと任務失敗」という非常に厳しい制約があるおかげで(実際は30個すべて集めなくてもいいが、それがいくつなのかは明らかにされない)ゲーム中は常に時間に追われ、本気でアイテムを集めようと思ったら捨てプレイ(アイテム入手に失敗したら即リセット)の繰り返しが待っている。私はそもそも任天堂のゲーム自体がそういうものだと思っているので何の違和感もなく最後まで楽しめたが、このゲームに慰安を求めていた人の中には、楽しめないまま途中で投げ出しちゃった人もかなりいたはずである。
で、今回の『ピクミン2』である。様々な新要素はあるが、前作との最大の違いは「日数制限がなくなった」ということに尽きる。この変更により、「アイテム集めの義務」が一転して「アイテム集めの権利」となり、「時間に追われるせわしなさ」は「気の向くままに遊べるゆるさ」となり、結果として<癒し>の要素が前面に表出するゲームとなった。
さらに、前作において集めるべきアイテムが「破損したロケットのパーツ」(謎の惑星に不時着した主人公が脱出するために必要)という悲壮感漂うものであったのに対し、今回の収集アイテムは「お宝」に変更された。たとえばナショナルの乾電池、ゲーム&ウォッチ、牛乳瓶のフタ、十字ボタン、などなど。そこには意味や物語はない。「お宝を集めること」自体が目的なのである。あえて物語を放棄して、住民との会話や虫取りや魚釣りという他愛のない行動そのものを目的とすることでまったく新しいゲーム観を提示した『どうぶつの森』(任天堂、2001年)と同一の構造を、『ピクミン2』は有しているのである。
他の生物を殺したり、他の生物に食われたりするピクミンを軸に構築された、あの世界観は健在である。操作できる主人公がふたりに増えてザッピング操作が可能になったり、ピクミンが2種類(力があって体重の重いピクミンと、足が速くて毒を持つピクミン)増えたことが、前作で完成されていたシステムにより深みを与えている。さらに従来の地上ステージに加えて、時間が経過しない「地下世界」(RPGのダンジョン的な多層構成のステージ)も追加され、前作のボリューム不足な感じもすっきり解消である。
これほど面白くて完成度が高くて、しかも敷居が低くてダラダラと遊べるというゲームはそうそう滅多に出るものではない。しつこいぐらい親切なチュートリアルのおかげで、前作をやってなくても十分楽しめると思う。なおかつ、今回の『ピクミン2』に<癒し>を期待している人は、そうそう裏切られることはなさそうである。癒されたいならゲームなんてやらないほうがいいとは思うけど。
(モリサワジュン)
(C) 2004 Nintendo
【関連リンク】
●【15%OFF!】GC『ピクミン2』(amazon.co.jp)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009KAPM/popsite-22
●『ピクミン2』公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/ngc/gpvj/