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[No.0425] 2005/7/20
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POP-SITEゲーム批評
「ディナーショー」から「ロックフェス」へ。
『みんな大好き塊魂』、その音楽性を考える



■ナムコ■PS2■2005年7月7日発売■ロマンチック■5,229円(税込)■1〜2人用■★★★★★


こんにちは、モリサワジュンです。まずは前回の文章に関するお詫びから。任天堂のゲーム『ちびロボ!』に関して、明らかに事実と異なる記述があり、読者の方からお叱りを頂戴しました。詳しくは前回の本文をお読み下さい。読者の方並びに関係者の皆様には、略儀ながらこの場で陳謝いたします。ろくに説明書も読まずに遊んでいるのがバレバレですね。本当に失礼いたしました。

さて、気を取り直して『みんな大好き塊魂』について書きたいのだが、その前に『プレイやん』について書かせて欲しい。ここを読んでいる方ならとっくにご存知かもしれないが、任天堂のSD-VIDEO&MP3プレイヤーである『プレイやん』がアップデートされ、AACフォーマットの音声を含んだMPEG4ムービーが新たに再生できるようになった。私も以前ここで『プレイやん』の音の悪さを嘆いていた人間の一人であるので、AACという選択肢が増えたことはこの上ない福音……のはずであった。

さっそく『プレイやん』をアップデートし、MPEG4ムービーをエンコードして、『プレイやん』で見てみた。……うーん、何だか微妙である。

ちょっと前のことであるが、SD-VIDEOや音楽の配信業務をやっているAさんに『プレイやん』を見せたところ、そのあまりの動作の軽快さに驚愕していた。Aさんが想定しているSD-VIDEOのプラットフォームは主に携帯電話であり、その動作はたいてい重くてトロくて操作性も悪い代物であるらしく、「同じSD-VIDEOでもこんなに軽くて操作性がいい」ということに対してAさんは驚いていたのである。

でも、今回のアップデートでMPEG4ムービーを見ると、その「軽さ」や「操作性の良さ」が残念ながらちょっと落ちちゃうのである。起動時にけっこう待たされるようになるし、MPEG4ムービーの早送りや巻き戻しもぎくしゃくする。音質の良さと引き換えに、あの軽快さが若干犠牲になっているという感じである。やっぱりAACのデコードってGBAにはかなり荷が重いんだろうなあ、と同情せずにはいられないが、やっぱり残念だ。

でも音質は本当に良くなった。以前のコーデックであるG.726と同じ32kbpsにしてみても、AMとFMぐらいの違いがある。以前ここで「『プレイやん』の音の悪さにはAMラジオみたいな味がある」みたいなことを書いたが、味だなんて悠長なこと言ってられないという感じすらする。一度AACの音声を聞いてしまうと、最早G.726には戻れそうにないぐらい音がキレイである。相変わらず内蔵スピーカーだと喋りが聞き取れないぐらいひどい音なのが、かえすがえすも残念なんだけど。

というわけで、今まで毎日欠かさず愛用していた『プレイやん』であるが、「MPEG4ムービーなら音はいいけど操作性が悪くなるから困るなあ」という思いと、「かといって今さらSD-VIDEOのAMラジオみたいな音には戻れないしなあ」という思いが交錯し、どちらにも決めかねている私は、結局『プレイやん』の使用頻度がめっきり減ってしまった。こういうのを「贅沢な悩み」って言うんだろうか。違うか。

と、ここまで引っ張っておいて何だけど、『みんな大好き塊魂』について私にはあまり語るべきことはない。秀作のお手本みたいな作品なので、私が何を言おうが買う人は買うだろうし買わない人は買わないだろう。前作もすごく楽しかったのでここで激賞させていただいたし、今回の作品も方向性を多少変えてマンネリ化を避けつつも非常に面白い仕上がりである。ユルいユルいと言われる本シリーズであるが、「ユルいゲーム」というのはあくまで「ユルく見えるゲーム」である。ゲームって「ユルさ」を表現するのが難しい媒体だと思う。ユルいゲームは、一見堅牢で真面目に見えるゲームよりも作るのが大変なはずである。この表層的なユルさ・でたらめさを裏で支える技術たるや、さぞかしすごいものなんだろうと思う。あとデバッグがものすごく大変そう。

それはともかく、このゲームで遊んでいて考えさせられたのは、ゲームの音楽とミュージシャンとの関係性である。これまで、有名ミュージシャンのゲームへの関与のありかたとしては「主題歌だけを提供する」というのが王道であったと思う。未だに私の記憶から消えてくれないのが、PCエンジンの『天外魔境』である。天下の大物である坂本龍一が「音楽を担当」と言うので買ってみたが、結局教授が提供したのは数曲のみであった。ゲームの根幹の部分というか出来不出来に教授が特に寄与していないという事実に、当時の私は軽い失望を禁じ得なかった。すぎやまこういちを見習え、とまでは思わなかったけど。あと最近多いのが、ドラマの主題歌などと同じ位相にあるタイアップ的な扱いの楽曲であるが、別にゲームのために書き下ろされたものじゃないし、我々プレイヤーにとっては別段有り難みがあるわけでもない。これらの、ゲーム本体と音楽(主題歌)の意味が乖離しているゲーム音楽を、同じく「ディナー」と「歌手」の意味が乖離している<ディナーショー>になぞらえて「ディナーショー型」と定義したい。

そこで、前作『塊魂』の音楽であるが、有名ミュージシャンが多数参加しており、なおかつ提供している楽曲は有りものでなく書き下ろしである。まるで「『塊魂』というゲームに共感し、コンピレーション・コンセプトアルバム(そんなのあるのか)に参加した有名ミュージシャン」然とした面々が作った楽曲群。この画期的な音楽の付け方の虜になった人も多いと聞く。普段ゲームをしなかった人をも取り込む材料になったのではなかろうか。これをここでは「コンセプトアルバム型」と呼びたい。呼んでどうする。

で、今回の『みんな大好き塊魂』である。一見すると「コンセプトアルバム型」を踏襲しているにも関わらず、私は前作とちょっと違うなあという感じがした。この季節だから特にそう思えるのかもしれないが、何だか「ロックフェス」っぽい感じがするのである。前作ほど「塊魂」というコンセプトに拘泥していないというか、「みんなコンセプトなんて気にせず好き勝手に楽しくやってるなー」という感じがする。私だけでしょうか。この音楽サイトでこういうことを言うのも何だが、私はロックフェスというものに行ったことがなく、ああいった場に登場するミュージシャン(と一括りにするのも失礼な話だけど)にもさほど興味がないので、ロックフェス全般に対して私は「他人事」もしくは「蚊帳の外」といったイメージを持っているのだが、それが今回の『みんな大好き塊魂』の楽曲のイメージとぴたり一致するのである。少なくとも私にとって『みんな大好き塊魂』の音楽は「ロックフェス型」だ。別に否定してるわけではなく、かつて「ディナーショー」であったゲーム音楽は、ついに「ロックフェス」にまで登り詰めた、とも言える。だから何だと言われても困るが。「魂」の公式なスペルが「damacy」ってあたりもフェスっぽい。自分で言ってて意味がわからなくなってきた。すみません。

しかし「ナムコのゲームにキリンジが参加」というのは、様々な深読みや想像ができる非常に面白い事実である。勝手に色々想像して楽しみたいので、あえて調べたり聞いたりしないことにする。皆さんも私に教えないで下さい。マジで。

(モリサワジュン)


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みんな大好き塊オンザウェブ

http://katamaridamacy.jp/

ナムコチャンネル - みんな大好き塊魂

http://namco-ch.net/katamari_damacy_ps2/index.php



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