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通勤しない私も大満足。
侘びと寂びのパズル『通勤ヒトフデ』



■任天堂/ミッチェル■GBA■2005年10月13日発売■パズル■2,800円(税込)■1人用■★★★★★

ついにGBA版の『ヒトフデ』が出た。私は、昨年12月に発売されたDS版『直感ヒトフデ』の大幅な値下がりを待っており、中古で2,000円を切ったあたりで買ってみようと思っていたのであるが、その前にこのGBA版が出てしまった。従って、私は元々のDS版のことはほとんど知らない。詳しい方からすると「何を今さら」的なことを平然と書いているかもしれないが、どうか一つご容赦ください。

『通勤ヒトフデ』は、『テトリス』の流れを汲みつつも全然『テトリス』とは違う、固定画面パズルである。白と黒のパネル群を一筆書きでなぞってその経路にあるパネルを反転させ、横一列のパネルを同じ色に揃えてすべてを一気に消す、というのが基本的なルールである。『テトリス』的な重力落下の要素も入っており、単純に一筆書きですべてをなぞれば済むわけではない。一筆書きの結果すべてのパネルが消えなかった時点でそのステージは失敗、リトライとなる。白黒パネル以外にもいくつかの変則パネルがあり、ゲーム進行にメリハリをつけている。

このゲームの肝は「シンプルかつディープ」であるところだ。あまり広くない盤面上には、基本的に白と黒のパネルしか置かれておらず、最初から全ての要素を見渡すことができる。にもかかわらず、難しいステージはまったく解けない。クリアするまで何時間もかかるかもしれない。各列を白で消すか黒で消すか、という判断一つで、一筆書きの経路は大きく変わってしまう。もしかしたら詰め将棋や囲碁に近いのかもしれない。私はこのゲームに侘び寂びの精神を感じた。って、正直「侘び寂び」の意味はよくわからないんですが。

さらにこのゲームのいいところは、「自分が上達していくのが目に見えてわかる」という点だと思う。最初はもう幼稚園児でも解けるようなステージから始まって、本当に微々たる差で難易度が徐々に上がっていく。ステージをいくつもいくつもクリアしていくうちに、いつの間にか結構な難易度のステージも楽々クリアできるようになっているのである。誰もが必ず「ああ俺ってずいぶん上手くなったなあ」と実感できるはず。この「実感」がとてもいい気分なのである。

パズルゲームとしての操作性は完璧に近く、ボタンのレスポンスやキーリピートのタイミング、GUIの反応なども絶妙。サウンド周りもすごくいい。渋くてかっこいいBGMの数々と、的確で気持ちいい効果音の数々。ぜひヘッドホンで聞きたいところである。ゲームとしての不満は特にないが、強いて言えばスリープ機能が欲しかった。無くてもそれほど不便ではないんだけど。


また、自分でステージを作って、パスワード(=盤面情報をエンコードした文字列)で配布したり入力したりすることができる。ステージは、自作他作含めて100面まで保存することができる。しかもDS版と互換性があるため、すでにいろんな人がネット上で公開しているステージがそのまま使える。これは非常に楽しい。

かれこれ20年ぐらい前、ステージ作成機能付きゲームのはしりである『ロードランナー』という固定画面パズルゲームがあり、時々パソコン雑誌にオリジナルステージの画面写真が掲載されていた。私を含むユーザーは、その画面写真を見ながら自分のパソコンにステージの要素をひとコマずつ入力しては楽しんでいたわけであるが、そんな掲載めったにないし入力も非常にめんどくさいものであった。

あの頃は、こんな密度の高いゲームが定価2,800円(税込)で買えるようになったり、インターネットで新ステージが入手できたり、ゲームボーイミクロで通勤時間に遊んだりできるようになるとは思いもよらなかった。ステージをランダムに生成するモードまで付いているし、この値段でこの充実ぶりはまさに「買い」であろう。いい時代になったもんですね。

(モリサワジュン)


通勤ヒトフデ

任天堂/GAMEBOY ADVANCE
価格:¥2,800 (税込)

任天堂『通勤ヒトフデ』製品情報

http://www.nintendo.co.jp/n08/biij/index.html

任天堂『直感ヒトフデ』製品情報

http://www.nintendo.co.jp/ds/asnj/index.html

株式会社ミッチェル

http://www.mitchell.jp/



(C)Nintendo 2005 / MITCHELL




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