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[No.0439] 2005/10/26
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「コナン」の後で「もののけ姫」を見た気分。
人と巨像の(わりと短めの)死闘『ワンダと巨像』



■SCEJ■PS2■2005年10月27日発売■アクションアドベンチャー■7,140円(税込)■1人用■★★★★★

ICO』というゲームは本当に面白かった。すごく良いゲームだった。目が覚めるような美しいグラフィック(でも解像度やフレームレートは低め)、ほとんど台詞もないのにガンガン伝わってくる独特で異様な世界観、高密度な箱庭における高いパズル性、手を握ってか弱い相方を連れて行くという画期的なアイデア、そしてボーイ・ミーツ・ガールのときめき。これが今や税込定価1,800円で買えるということも含めて、これほど良くできたゲームは滅多にないと思う。

その後、『ICO』を作った人たちが『NICO』という仮タイトルの作品を開発中であることがアナウンスされた。このあからさまなタイトルを見れば、この新作に『ICO』的な面白さを期待するのもむべなるかな、であろう。

そして、この『NICO』が、ついに『ワンダと巨像』というタイトルで発売となった。私も早速プレイさせて頂いたのであるが、結論から言うと、「非常にいいゲームだけど、期待してたのとちょっと違うかも……」という感じであった。

『ワンダと巨像』は、巨大な生きた石像を相手に生身の人間が戦うという、今までありそうで無かった作品である。この「小さい自分vs巨大な敵」というモチーフを見て、私はあの『R-TYPE』(1980年代後半のシューティングゲーム)の「巨大な戦艦そのものが一つのステージ」を思い出した(こんな感じ)。プレイヤーは基本的に撃って避けるだけの『R-TYPE』からかれこれ20年、『ワンダと巨像』の主人公はまず愛馬を駆って巨像の居場所を探し出し、やっと見つけた巨像の弱点を見つけ、踏んだり蹴られたりしないように逃げ回りながら巨像によじ上り、弱点を攻撃し、そして急所に剣を突き刺して巨像の息の根を止める、という複雑でスリル満点な戦いを繰り広げることになる。

この『ワンダと巨像』、グラフィックがもうとにかくえらいことになっている。主人公を振り落とそうと巨体を揺り動かす巨像。その背中に生えた毛にしがみつきながら必死で巨像の脳天にたどり着き、必殺の剣を突き刺す主人公。この迫力、テレビの大きさに比例して増大するような気がする。これほど大画面に相応しい映像コンテンツは、映画も含めてそうそうあるものではない。うちのテレビはそんなに大きくもないけど(28インチワイド、プログレッシブ)、いつも喋ってばかりでうるさくて仕方ない5歳の甥っ子が、私のプレイをただただ無言で口を開けたまま刮目し、文字通り「言葉を失って」いた。

巨像のデザインも素晴らしい出来映えである。プエブロ・インディアンのカチーナ人形なんかを彷彿とさせる、原初的・神秘的かつユーモラスな顔と外観。多数登場する巨像それぞれに、神話的なバックグラウンドが存在するのではと思わせる、少なくともこれまでのゲームではまず類を見ない強烈で個性的なデザインである。

巨像だけでなく、主人公や馬といったキャラクタのモデリング・デザイン・アニメーションも非常に完成度が高い。戦闘中のサウンドも画面に劣らぬ大迫力だし、音楽も素晴らしい。ちょっと癖のある操作系も、慣れればすぐしっくり来る。難易度も高いようでけっこう低く、あんまり悩まずサクサク進めることができる。ほとんどケチを付ける隙のない、ものすごいゲームであると思う。

でもなあ。何かちょっと違うんだ。あの『ICO』の楽しさを期待していた人たちの中には、この『ワンダと巨像』に不満を持つ人も少なくないのではなかろうか。特に、相方が前作の「女の子」から「馬」になったことと、「ボーイ・ミーツ・ガールのときめき」の欠落、この2点。私は『ワンダと巨像』はまごうかたなき傑作だとは思うし、技術的にも物量的にもかなりの進歩があるのはわかるけれども、「期待してたのとちょっと違うなあ」と思ってしまったのである。このニュアンスを表現するのは非常に難しいのであるが、「未来少年コナン」や「ルパン三世 カリオストロの城」みたいな宮崎アニメを期待して「もののけ姫」を見た時のような感じ、と言えばわかって頂けるだろうか。わかりませんか。すみません。でも馬は馬なりにかわいいし愛着も湧く。こっちが必死で巨像と戦ってんのにバカみたいにあちこち無駄に疾走したりして、なかなかいい味を出している。

それにしても、フレームレートが全般的にかなり低いのが本当に残念。唯一無二の不満と言えるかもしれない。動きの激しい場面では目が疲れるし、感情移入の妨げにすらなっている。グラフィックの質を落として30fpsぐらいを維持するモードがあっても良かったのではないだろうか。このゲームで遊んだ後テレビの外に目をやると「現実世界ってフレームレート高いなあ」と思うこと請け合いである。

とはいうものの、私は大満足であった。『ICO』における箱庭パズルの密度とは違うが、それぞれの巨像達との死闘がとても高密度で、非常に充実している。全体のボリュームが短いのも、長大なゲームに対する持続力を失った私にとってはかえって有り難かった。次はぜひ『ICO』直系の続編を期待したい。それが駄目なら、『ICO』の高解像度版でもいいっす。今すぐ買います。

(モリサワジュン)


ワンダと巨像

ソニー・コンピュータエンタテインメント/PlayStation2
価格:¥6,069 (税込)
OFF:¥1,071 (15%)
ICO PlayStation 2 the Best

ソニー・コンピュータエンタテインメント/PlayStation2
価格:¥1,800 (税込)

SCEJ『ワンダと巨像』製品情報

http://www.playstation.jp/scej/title/wander/

SCEJ『ICO』製品情報

http://www.i-c-o.net/



(C)Sony Computer Entertainment Inc.




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