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POP-SITE音楽批評
セロニアス・モンク&ジョン・コルトレーン
『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』

東芝EMI


連載「エサ箱日誌」第88回のスタート!

1月某日
2005年はほとんどCDショップに出向かなかったので、CDのリリース情報がほとんど入ってこなかった。なので、音楽雑誌などで、「2005年のベストアルバム」といった特集記事を読んで初めて、「あ、こんなCDが出てたんだ」と気付かされる始末。

さて、2005年のベストどころか今世紀のベストの一つと言っても過言ではないCDがリリースされた。今回紹介する、セロニアス・モンク・カルテット with ジョン・コルトレーンの『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』がそれ。

Jazz史における最大の謎と言えば、この二人のセッションだ。マイルス・デイビスのバンドから離れたコルトレーンが、モンクのバンドに武者修行に出る。1957年のことだ。この「異種格闘」とも言えるセッションで鍛え上げられたコルトレーンは更なる飛躍を遂げた、というもの。

しかしながら、この二人のセッションを収録した音源は驚くほど少なく、ジャズランドという弱小レーベルから出た『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』の3曲、リバーサイド・レーベルから出たモンクのソロアルバム『セロニアス・ヒムセルフ』の『ラウンド・ミッドナイト』だけだった。

これ以上の音源は存在しないと思われていたが、1993年になって、当時のコルトレーンの妻がクラブの客席からテレコで録音したライブ音源が『ライブ・アット・ザ・ファイブ・スポット』としてリリースされた。

このCD、全世界のJazzファンを熱狂させ、Jazz史の謎を解き明かした。しかし、物の価値が判らない「豚に真珠」、もとい「猫に小判」、もとい「馬の耳に念仏」、もとい「犬に論語」、もとい「兎に祭文」な輩が、音の悪さに苦言を呈しているのをブログなどで見かけるかもしれないが、「豚」や「猫」や「馬」や「犬」や「兎」の言うことは一切無視してよい。

で、今回リリースされた『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』は、アメリカにある国外向けの国営短波放送「Voice Of America」がラジオ放送を目的に録音したもの。結局放送はされず、録音テープは闇から闇へ葬られ、その存在すらも人々の記憶からも消えてしまった。

しかし、その録音テープが遺族らによって米国の連邦議会図書館で発見され、今回のリリースとなったわけだ。

レコード会社は、ダミ声のピアノおばさんや中国雑技団みたいなピアノおねーちゃんは放置しておいていいから、こういった歴史的価値の高いCDをもっとプロモーションしてほしいよ。

なお、国内盤は相も変わらずの欠陥CCCD仕様。通常仕様の米国を買うわな、普通は。

(文=フィオナ林檎)

収録曲

  • Monk's Mood
  • Evidence
  • Crepuscle With Nellie
  • Nutty
  • Epistrophy
  • Bye-Ya
  • Sweet & Lovely
  • Blue Monk
  • Epistrophy
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ライヴ・アット・カーネギー・ホール ※国内盤CCCD仕様

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ライヴ・アット・カーネギー・ホール ※米国盤通常仕様

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セロニアス・ヒムセルフ

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セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン



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