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[No.0469] 2006/5/24
No.0468「連載「エサ箱日誌」第96回」へNo.0470「連載「エサ箱日誌」第97回」へ

POP-SITEゲーム批評
CMのあの人には(多分)クリア不可。
残機がみるみる減る『New スーパーマリオ』




■任天堂■DS■2006年5月25日発売■アクション■4,800円(税込)■1〜4人用■★★★★★

今回は、ついに発売となった末弥純先生の画集「末弥純画集 ウィザードリィ」をご紹介させて頂こうと思っていたが、折しもDSの『New スーパーマリオブラザーズ』が我が家に郵送されて来てしまったので(注文したのは私だけど)、今回はこの超大物物件について書かせて頂きたいと思う。

今回のニンテンドーDS用『New スーパーマリオブラザーズ』は、1985年に発売されて通算4000万本を売り上げたというファミコン用ソフト『スーパーマリオブラザーズ』のシリーズ最新作である。

スーパーファミコン、ニンテンドウ64、そしてゲームキューブと、プラットフォームが新しくなるにつれて内容がどんどん込み入って複雑になっていった『スーパーマリオ』シリーズであるが、今回の『New』ではその流れを一旦リセットし、ファミコン時代のシンプルな内容に戻しているのが最大の特徴である。少なくとも一見すると「戻そうとしている」ようには見える。

画面を見てすぐにわかるのは、ニンテンドウ64の『スーパーマリオ64』以降の3Dアクションではなく、ファミコン時代と同様の2Dアクションになっているという事である。

ステージにいる敵を倒したりジャンプしたり土管に入ったりしながらどんどん右に進んで、ステージ最後のポールにジャンプでしがみついて花火が鳴ったりしてステージクリア、という初代『スーパーマリオ』のスタイルが、今回の『New』ではほぼそのまんま取り入れられている。クッパの倒し方なども含めて、初代を踏襲している要素は非常に多い。

とはいえ、今回は初代『スーパーマリオ』のリメイクというわけではない。全体的に、ファミコンの『スーパーマリオ3』とスーファミの『スーパーマリオワールド』のシステムで初代『スーパーマリオ』を作り直した、といった趣きの内容となっている。すべてのステージは新作で、新しい敵キャラも多数登場する。

今回は全部で80のステージがあるとのこと。どのステージも綿密に設計されており、プレイヤーの心理を手玉に取る巧妙な仕掛けが施され、ちゃんとした個別の存在意義がある。8つのワールドも、鮮明なグラフィックと特徴的な地形で差別化が計られており、ステージ・ワールドをクリアして次に進むのが楽しくてしょうがないという感じだ。

恒例のパワーアップも、「スーパーマリオ」「ファイアマリオ」に加えて、一定時間巨大化して敵や土管を蹴散らす「巨大マリオ」、逆に超小型化して普段は入れない場所に行けるようになる「マメマリオ」、甲羅に入って敵を倒せる「コウラマリオ」に変身できるようになっている。なおかつ、特殊技(甲羅運び、三段跳び、ヒップドロップ、壁ジャンプなど)は過去のシリーズからのいいとこ取りでいくつも入っている。

『スーパーマリオ3』から採用された箱庭すごろくみたいなワールドマップ画面も健在で、マップ上には色々な仕掛けや隠し要素が盛り込まれている。今回、ワールドは1から8まで存在するが、これらは順に攻略するのではなく、ワールド2からは3と4へ分岐して5に収束、ワールド5からは6と7に分岐して8に収束、という構成になっており、実質上5つのワールドをクリアすればエンディングとなる。なおかつワープも存在するので、かなりのショートカットが可能となっている。下画面には、常にワールド1〜8のチャート図が表示されており、これをタッチするだけで任意のワールドに移動できるようになっている(クリアしたワールドのみ)。

今回はグラフィックが本当にキレイ。ゲームシステムは2Dだけどグラフィックは3D、いわゆる「2.5D」となっている(例えば『R-TYPE△』『真魂斗羅』)。おそらく一部のザコキャラはスプライトだが、ほとんどのキャラクターはポリゴンで描かれており、実にスムーズに生き生きと動く。

背景グラフィックは、初代『スーパーマリオ』の世界観をもとに最新技術で描き直した、といった感じ。背景は『R-TYPE△』のような3Dではないが、例えば波打つ水面や盛り上がる地面など、2Dでも3Dでもない不思議な動きを見せる。ポリゴンのキャラクターと非ポリゴンの背景は親和性が高く、まったく違和感なく溶け込んでいる。

本編のゲームとは直接関係ない部分の作り込みもすごい。数々の対戦ミニゲームも収録されているし、弟のあの人もある操作をするとマリオのかわりに登場する。DS本体の液晶を閉じた時・開けた時それぞれのタイミングでマリオがしゃべってくれたりするのもうれしいところだ。

でもなあ。このゲーム、けっこう難しいんだ。本作は久々の新作2Dマリオであり、それだけでも私は十分うれしいし、個人的には『スーパーマリオ3』には及ばないもののシリーズ屈指の傑作に仕上がっていると思ったのであるが、普段ゲームをしない人がこれを買ってしまったらどう思うだろう、って考えちゃうぐらい難易度が高めになってるわけだ。

今回の『New』の広告において最も目立っているキャッチコピー、「誰でもできる、新しいマリオ。」。しかし、今回どうにか一周クリアして思ったのは「誰でもプレイはできるけど、クリアできるとは限らないんじゃないか」という事である。

私が最初のステージをプレイした時点では、パワーアップアイテムを常にひとつストックできることや(ミスをしてちびマリオになっても、手持ちのパワーアップアイテムを使って再びスーパーマリオやファイアマリオに戻れる)、ファイアマリオ時にミスをしてもちびマリオではなくスーパーマリオに戻るだけだということがわかり、「こりゃ今回は楽勝だな」ぐらいに思っていたのであるが、さにあらず、であった。

こうした基本的なシステムでは敷居を下げているものの、各ステージの難易度は決して低くない。難易度としては、初代『スーパーマリオ』と3作目『スーパーマリオ3』の中間ぐらいの位置づけだろうか。特に後半のワールドの難易度はかなり高めに設定されている。

特に後半のワールドでは、前半のワールドでストックした残機がみるみる減って行く恐怖や、あまりに陰険で難解なステージに腹が立ってゲーム機ごと壁に叩きつけたくなる衝動を久々に味わった。この恐怖や衝動がカタルシスと表裏一体になっているのが『スーパーマリオ』シリーズの伝統なんだし、私は特に何の文句もないんだが、前述の「誰でもできる」ってのはどうかなあ、と思うわけだ。この「誰」にあたるのが、『おいでよ どうぶつの森』や『大人のDSトレーニング』でゲームデビューしたような人も含んでいるとしたら、その「誰」にとってクリアへの道はあまりにも過酷だと思う。そりゃ確かにマリオがでっかくなったり巨大ウツボに襲われたりするのはうれしいし楽しいが、それとこれとは別なのである。

私の勝手な想像だけど、松嶋菜々子様はきっとクリアしてない。絶対無理だろう。むしろこの『New』は、「ゲームセンターCX」でよゐこ有野さんが挑戦するようなたぐいのゲームだ。きっと5年後ぐらいに採り上げられるね。有野さんはワールド8の塔2だけは助っ人ADさんに代行してもらい、通算10時間でクリアすると思う。5年後にあの番組があればの話だけど。あったらいいな。あって欲しい。

というわけで、「誰でもできる」という売り文句はちょっとどうかと思うが、私は大満足であった。マリオの2.5D化が見事に成功したので、次はぜひ『メトロイド』の2.5D化を希望したいところだ。

(モリサワジュン)


New スーパーマリオブラザーズ

任天堂/Nintendo DS
価格:¥4,080 (税込)
OFF:¥720 (15%)

任天堂『New スーパーマリオブラザーズ』製品情報

http://www.nintendo.co.jp/ds/a2dj/index.html

Touch-DS.jp - New スーパーマリオブラザーズ

http://touch-ds.jp/mfs/newmario/index.html



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