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[No.0476] 2006/7/17
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POP-SITE音楽批評
ピンク・フロイド
『The First 2 Mono Albums And Singles Collection』

Franny Record FR-188/189


連載「エサ箱日誌」最終回のスタート!

7月某日
7月11日に公式発表されたけど、ピンク・フロイドの創設メンバーの一人で、リーダー格だったシド・バレットが他界した。享年60歳。さまざまなアーティストに影響を与えたとして、BBCや朝日新聞などの大手メディアでも彼の死が紹介されていた。

薬物服用によって精神的に不安定な状態が続いたため、1968年にバンドを脱退してソロ活動を行うも、僅か数年で音楽業界から完全に身を引いてしまった。彼の不安定な状態は、いくつかのテレビ出演時の映像を見ると確認できるが、1967年のアメリカのテレビ番組「American Bandstand」出演時の様子は特に危うく、空ろな目で虚空をじっと見つめたシド・バレットに狂気を感じ取ったのか、ほんの十数秒映し出された以外、ほとんどが他のメンバーにカメラが向けられてしまっている。

その後、ピンク・フロイドがアルバム『Wish You Were Here』のレコーディングをしている時、坊主頭で、ぶくぶくに太り、まるで気違いのような風貌の男がスタジオを訪れる。それがメンバーの前に数年振りに姿を現したシド・バレット本人で、その変わり果てた姿にメンバーを強いショックを受ける(写真は2002年頃のもの)。そして、アルバム『Wish You Were Here』は、シド・バレットへ捧げる強いメッセージを含んだアルバムとなった。

さて、ピンク・フロイドはビートルズと同じ「EMI」というレコード会社に所属しており、レコーディングも同様に「アビー・ロード・スタジオ」で行われている。シド・バレット在籍時の代表作であるデビュー・アルバム『The Piper At The Gates Of Dawn(邦題:『夜明けの口笛吹き』)』は、ビートルズのレコーディングに携わったエンジニア達のクリエイティビティが注入された。このデビュー・アルバムをレコーディングしている時、隣のスタジオでビートルズが、名作『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』をレコーディングしていたこともあり、音作りに多数の共通項を見出せる。

また曲作りでも、ジョン・レノンが得意とする変拍子が特徴的な『Good Morning Good Morning』と、やはり変拍子風の『Bike』において、顕著な類似を見出せる。

さて、以前にも触れたようにビートルズのアルバムは、ステレオ盤に加えてモノラル盤も同時リリースされている。両者の間には多数のミックス違いがあり、その違いを聴き比べるのも楽しみの一つだが、デビュー・アルバム『The Piper At The Gates Of Dawn』もモノラル盤が制作されている。10年ほど前に公式にモノラル盤がCDでリリースされたけど、今は廃盤。CDショップに行っても、ステレオ盤CDしか置いてない。

となると、海賊盤のお世話になるしかないんだけど、今回紹介する海賊盤には、アルバム未収録のシングル盤も収録されている。そのすべてがモノラル盤というのが嬉しい。興味のある方はぜひ聴いてみてほしい。なお、言うまでもないが、本盤Disc 2の『A Saucerful Of Secrets』は、シド・バレット脱退後のアルバムだ。

さて突然ですが、当コラム、今回が最終回となります。10年もの間、駄文・拙文にお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。引き続き、pop-siteをよろしくお願いいたします。

(文=フィオナ林檎)

<収録曲>

Disc 1:『The Piper At The Gates Of Dawn』モノラル盤&シングル集

  • Astronomy Domine
  • Lucifer Sam
  • Matilda Mother
  • Flaming
  • Pow R. Toc H.
  • Take Up The Stethoscope And Walk
  • Interstellar Overdrive
  • The Gnome
  • Chapter 24
  • Scarecrow
  • Bike
  • Arnold Layne(Original Mono Singles)
  • Candy And A Currant Bun(Original Mono Singles)
  • See Emily Play(Original Mono Singles)
  • Scarecrow(Original Mono Singles)
  • Apples And Oranges(Original Mono Singles)
  • Paint Box(Original Mono Singles)
  • Flaming(Original Mono Singles)

Disc 2:『A Saucerful Of Secrets』モノラル盤&シングル集
  • Let There Be More Light
  • Remember A Day
  • Set The Controls For The Heart Of The Sun
  • Corporal Clegg
  • A Saucerful Of Secrets
  • See-Saw
  • Jugband Blues
  • It Would Be So Nice(Original Mono Singles)
  • Julia Dream(Original Mono Singles)
  • Point Me At The Sky(Original Mono Singles)
  • Carefull With That Axe, Eugene(Original Mono Singles)
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The Piper At The Gates Of Dawn(邦題:『夜明けの口笛吹き』)

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The Madcap Laughs(邦題:『帽子が笑う・・・不気味に』) ※紙ジャケット仕様

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Barrett(邦題:『その名はバレット』)

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サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド



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