『超操縦メカ MG』……巨大ロボ「マリオネーションギア」(MG)を操って、悪の無人ロボ「オートマン」軍団と戦うアクションゲーム。100体以上存在する多種多様なMGそれぞれに、DSのタッチパネルを使った異なるインターフェースが用意されている。敵機撃退からカーレースまで、ステージのバリエーションと数の多さも特徴の一つ。『地球防衛軍』のサンドロットが開発を担当している。
「どうせガキ向けのロボゲーだろう」と思っている方が大勢いそうな本作品『超操縦メカ MG』、以下『MG』であるが、それはとんでもない誤解だ。確かに見た目は子供向けアニメみたいだが、中身は『地球防衛軍』シリーズに匹敵するカタルシス・ボリューム・遊びやすさを備えた傑作となっているのである。
何と言っても、ロボットの操作が非常に面白い。左手で十字キーを使ってロボットを前後左右に動かしつつ、下画面に表示されたロボットごとに異なるコクピットを、右手のタッチペンで操作。レバー操作で剣を振り回したり、弾丸を込めて撃鉄を起こして引き金を引いたり、弓のつるを引いて矢を放ったりと、それぞれのロボットごとに実に個性的な操作が楽しめる。ロボットによっては変形により操作系が2種類用意されているものもある。これはロボットごとの性能差にも直結しており、「弓を無限に撃てるが接近戦は苦手」「近距離攻撃は強力だが飛び道具が無いため遠距離からの攻撃は苦手」といった相性を考慮してロボットを選ぶことで、より効率よくステージを攻略する事が出来る。タッチペンの操作と画面の反応は本当に直結しており、「あー俺が動かしてるなー」という強い実感がある。これは同社の『リモートコントロールダンディ』でも味わえなかった感覚である。
各ステージが短く、やるべき事が「敵を全滅させる」「レースで敵に勝つ」「建物を所定の位置へ移動させる」など、とてもシンプルなのも良い。同社の『地球防衛軍』をご存知の方ならわかると思うが、あの短くて面白いミッションが次々に回ってくる、まるで回転寿司みたいな感覚は本作でも健在。短いので多少難しくても苦にならないし、敵に負けても大して悔しくない。もちろん、時間がない時にちょっと遊ぶのにも最適。ロード時間がほぼ存在しないため、電源を入れたら数秒でゲームが始まっているのも嬉しいところだ。
ゲーム全体は、巨大なすごろくみたいなマップ上に多数のステージが配置されている、という『スーパーマリオワールド』的な構造を取っている。クリアする事でどんどん進路が開けて行く。ストーリーを紹介するだけの場所や、ロボットを製造販売する工房(メーカー)などもマップ上に点在している。クリアしたステージはいつでも戻って再挑戦できるが、各ステージは難易度が4レベル用意されており、低いレベルで通用した攻略法が高いレベルでは通用しない事も多く、実にやり込み甲斐がある。
『MG』のもう一つの魅力は、その独特な世界観にある。例えば同社の『リモートコントロールダンディ』シリーズは、勧善懲悪型ロボットアニメの世界観をネオ昭和的に再解釈したようなテイストの世界観であったが、この『MG』は100種以上用意されたロボットの数に物を言わせて、ゲーム冒頭がいきなり「マリオネーションギア(ロボット)の歴史めぐりの旅」で始まったり(博物館にある骨董品みたいななロボットもちゃんと乗れる)、たくさんあるロボットメーカーを巡って強力なロボットを探したり、多数あるロボットのバリエーションの一つである走行型ロボットでレースに出場したり、はたまた貨物運搬ロボットで石像を運んだりと、「新旧・強弱・大小合わせてさまざまなロボットが存在している」という事が前提に世界が構築されている。「ロボットの数・種類の多さ」と世界観が密接に結び付いているのである。
残念なのは、処理落ちの問題である。敵が少ないときは60fpsでスムーズに表示されるグラフィックも、敵が増えるとどんどん重くなっていく。ひどい時には画面がスローになってしまう。フレームをガンガン飛ばしてもいいから、遅さをもうちょっと軽減して欲しかった。やはりDSの性能ではこれが限界なんだろうか。
本作品は、『カスタムロボ』と並んで、任天堂を代表するロボゲーと呼ぶにふさわしい傑作に仕上がっている。なおかつ『カスタムロボ』よりは敷居も低くて遊びやすい内容となっており、特に最近あまりゲームプレイに長い時間を割けないけどゲームがしたいという人にぴったり。マイペースで楽しめつつも奥が深い、絶妙なバランスの作品である。
とは言うものの、DSの性能ではすでにキツそうなので、次回作はぜひWiiでお願いしたいところだ。Wiiリモコンで剣を振ったりステアリングを回したり銃を撃ったりしてみたいっす。ぜひ。
(モリサワジュン)