この間のE3では、次世代ゲーム機と呼ばれているPS3・Xbox 360・Wiiのそろい踏みで大盛り上がりであったが、全体的にまだまだローンチの実態が定かでなかったため(特にPS3)、多少の物足りない感じはあった。しかし、先日の東京ゲームショウを境に様々な事実が明らかとなり、三者の思惑や現状がより明確になってきた。
私の個人的な感想であるが、「ゲーム離れしたかったけど結局ゲームに頼らざるを得ないPS3」「お茶の間に入り込むためならゲームにこだわらないWii」「最もゲームらしいゲームが楽しめるXbox 360」という印象を受けた。まさに三者三様であるが、「ゲーム」に軸足を置いて着実に歩を進めているWiiとXbox 360に比べて、現時点でのPS3にはやや中途半端な感じが否めない。
今回もっとも注目すべきなのは、脱ゲーム志向が最も強いと思われていたSCEのPS3が結局はゲーム機路線(現在のPS2に近い)に転向し、逆に任天堂のWiiの方が「このままゲームに固執し続けてたらヤバい」という危機感を漂わせている事である。
高性能・低価格な家庭用コンピュータという位置づけで世界中にあまねくPS3を普及させていこうというSCEの思惑が、「ゲーム機としては値段が高すぎる」という反発から縮小せざるを得なくなり、「ゲーム1本売ってなんぼ」という従来の商売を拡張する事になってしまった。「ものすごい高性能を駆使したものすごい事が実現するのをみんなでワクワクしながら体感しよう」というSCEの壮大な夢のビジョンが、残念ながら後回しにされてしまったという感は拭えない。5年〜10年のスパンで見てほしいというSCEの気持ちはわかるが、個人的には5年ぐらい買わずに様子を見てから考えたいところだ。私は、初代PS用ソフトをPSP用にエンコードしてダウンロードできる機能がPS3にあったらいいと思っていたが、残念ながらそういう機能はなくて、PS用ソフトはネット経由のダウンロード販売になるんだってね。まあしょうがないか。夢が実現するまで日銭を稼がないといけないもんね。
一方、任天堂のWiiには「Wiiチャンネル」という、フロントエンドのGUIが付いたOS的な仕組みが付加されるという。ソニーのXMB(クロスメディアバー)的なシステムだが、Wiiチャンネルは「Wii専用ゲーム以外の付加コンテンツを多数用意し、テレビのチャンネルのようにすべてが相対化されて等価に扱われる」という構造になっているとの事。『ゼルダの伝説』のようなゲームも、ダウンロードしたファミコンのゲームも、そして天気予報やニュースも、それぞれがチャンネルの一つに過ぎない、というわけである。任天堂側が再三強調する「(消費者が)怖がらないものにしたい」という考え方が明確に現れているが、果たしてお茶の間ではどう受け入れられるか。
そして、Xbox 360のタイトルの充実ぶりとゲーム内容のこなれ具合は尋常ではなく、もはや盤石と言っても過言ではない。1980年代から連綿と続く、いわゆる「ビデオゲーム」の究極の進化を、Xbox 360なら存分に堪能することができそうである。私も欲しいんだけど、うちのテレビ台はビデオやらPS2やらDVDやら何やらでいっぱいで、とてもあの筐体を入れる隙間が無いっす。ハードディスク無しモデルもいいけど、むしろ筐体を小さくした方が日本のお茶の間攻略には有効だと思います。
とりあえず、PS3は高性能がばっちり引き出されるまで様子見。Xbox 360は筐体が小さくなるまで様子見。我が家ではWiiを買う事に決めた。現在テレビ台に鎮座しているゲームキューブをどかしてWiiを置く。PS2にもゲームキューブにもすっかり見向きもしなくなり、毎日DSで十分満足している我が家の家族が、再び据え置き型ゲーム機で楽く遊ぶ日々が、果たして本当にやって来るのか。その答えはあと2ヵ月足らずで明らかとなる。
(モリサワジュン)