『カプコン クラシックス コレクション』……カプコンが1980〜1990年代に発表した数々のゲームを1枚のディスクに収録。PSで既発の『カプコンジェネレーション』シリーズ全タイトルに加えて、アーケード作品3タイトルを加えた全19タイトル。ゲームプレイでもらえるコインを使って遊ぶスロットマシンが用意されており、役を揃える事で各種のコレクション要素(ゲームの裏技、アートワーク、音楽など)を入手する事ができる。
人気番組「ゲームセンターCX」を見終わると、私は有野課長が挑戦したゲームをやりたくて仕方がなくなる。「ゲームセンターCX」第5シーズン『大魔界村』の回を見なければ、今回このソフトを購入しなかった、せずに済んだかもしれない。
本ソフトの収録タイトルは以下の通り。
・1942
・1943 ミッドウェイ海戦
・1943改
・魔界村
・大魔界村
・超魔界村
・エグゼドエグゼス
・ソンソン
・バルガス
・ひげ丸
・ガンスモーク
・戦場の狼
・戦場の狼II
・ストリートファイターII
・ストリートファイターII' -CHAMPION EDITION-
・ストリートファイターII' TURBO -HYPER FIGHTING-
・ザ キング オブ ドラゴンズ
・ナイツ オブ ザ ラウンド
・アルティミット エコロジー
この手の思い出物件における、私が考える理想的な要素は以下の通りである。
1) 移植度の高さ(電源投入後のクロスパターンも再現するぐらいの気合いが欲しい)
2) でも遊びやすさは犠牲にしていない
3) FM音源/PSG音源をエミュレーションして再現したサウンド(CD-DAの垂れ流しなどもってのほか)
4) 可能な限りロードなし
で、この『カプコン クラシックス コレクション』であるが……。
1) ……ゲーム本体の移植度自体はかなり高い。もしかしたら細かい違いがあるのかもしれないが、遊んでいて違和感を覚える事は特にない。が、ゲーム本体以外の部分を完全移植する気はまったくなかったらしく、クロスパターンはおろかクレジット投入がらみの動作も一切カットされている。また、3)で後述するサウンド回りの仕様のおかげで、ゲームタイトルによっては場面が切り替わる場面などでゲームの進行が引っかかったり、タイミングが大きくズレたりする事が頻繁に起こる。
2)……移植度にこだわって遊びづらくなっているというような事はまったく無い。もともとセーブ機能の無いアーケード作品にも、ステージ単位で中断データを取っておく事が出来るようになっているのが非常にありがたい。コンティニュー回数にも特に制限はない(コンティニュー回数によってもらえるコインの枚数は変わるけど)。PSPの画面に合わせた解像度や縦横回転のモードも多数用意されており、手軽に切り替えができる。スロットマシンによるおまけ収集は思ったより楽しく、ボタン連打で十分遊べるのであまり真剣にならなくても楽しめる。
3)……推測であるが、音楽再生に関してはFM音源やPSG音源のエミュレーションは行わず、原曲を録音してそのまま再生しているのではないだろうか。さらに、ゲームタイトルによっては場面が切り替わるごとに音楽をUMDから読み込むようで、音楽が変わるごとにUMDをシークする。これが本当にうるさいし、微妙なシークタイムも不快。原作に比べて曲間のタイミングがまったく変わってしまい、雰囲気ぶちこわしである。
4)……ある程度規模の小さなゲームならPSPのRAM上にちゃんと収まるが、タイトルによっては3)のおかげで曲が変わるたびにいちいちシークが起きてゲームの流れが一瞬遅れる。非常に不快かつ耳障り。また、大容量のグラフィックを頻繁に入れ替える『ストリートファイターII』などのゲームでは、音楽の切り替え時のシークに加えて信じられない回数のロードが細切れに繰り返し発生してびっくりした。CLV方式のメディアであるUMDの最も悪い使い方かもしれない。また、19タイトルを統括するメニュー画面と個々のゲームの間にも長時間のロードが発生して辟易する。その時間たるや、ちょっとしたアプリをパソコンにインストールしているような気分になる長さだ。いっそのこと、メモリースティックにインストールできたらいいのに。
というわけで、私にとっては「ロード・シークが長くて多い」「音楽の変わり目にUMDをシークする事がある」という2点がものすごく不満であったが、逆にそういう事を許せる人ならまったく問題のない内容に仕上がっている。収録タイトルは名作揃いではあるものの正直ちょっと地味かつ新鮮味に欠けるが、かなり面白かったのに世間ではあまり知られていなかったCPシステムのアーケード作品も収録されており、なかなか遊びごたえのあるソフトとなっている。重ねて言うが、ロード時間と音楽にこだわらない人なら一見の価値はある、なかなか出来のいいソフトである。知っているタイトルが何本もないという人も、遊んだ事の無い作品をプレイするいいチャンスだろうし、どれもいっさい知らないという人にもかつての古典的名作を手軽に楽しむきっかけとして最適なのではなかろうか。
それにしても、「ゲームセンターCX」の「見たらやりたくなる」パワーはかなりのものがある。そこで、いっそ「ゲームセンターCXアンソロジー」なんていかがなもんだろうか。「ゲームセンターCX」で有野課長が挑戦したゲームを、ソフト1本に2〜3タイトル程度収録。今回のソフトだと『魔界村』(第2シーズン)と『大魔界村』(第5シーズン)の2本になるだろうか。PSPのUMDなら、ゲーム本体に加えて「ゲームセンターCX」の本編映像を収録するのはもちろんのこと、ゲームと番組との連携(ボスを倒すと番組スタッフの歓声があがるとか、バーチャルな有野課長とクリアタイムを競うとか……)もできて、PSPならでは!って感じのキラータイトルになってけっこう売れるのではないだろうか。まあ、そういうソフトを欲しがる人ならもうPSPを持ってる確率が非常に高いから、ユーザー層の拡充にはあんまり貢献しないとは思うが。
(モリサワジュン)